骨のある所に歯が存在するのではなく、歯の存在が骨を存続させている



インプラント


インプラント,広島

歯がすべて失われると歯を支える歯槽骨は役目を終えて、吸収されていきます。「機能的マトリクス理論」と呼ばれたものが、大学時代に試験勉強した事柄であり、骨があるからそこに組織があるのではなく、組織がそこにあるから骨が構築されるということです。レントゲン写真右側の下顎は抜けた穴がまだ残っていますがいずれそれも吸収してなくなります。また、上顎は幾つか理論はあるものの、どうしてそうなるのかは未だ解決に至っていない、上顎洞(副鼻腔)がどんどん年齢として大きくなり、歯を失うとやはり、薄っぺらい骨を残して上顎は鼻から枝分かれする副鼻腔が膨らんでいきます。ただし、本来の鼻の空洞である鼻腔は下側に向かって大きくならないのでインプラントを埋入する骨が残りやすくなっています。




下のレントゲン画像は下歯槽神経管をレントゲン上に仮に描いたものです。CTでみるともっとはっきり確認することができます。この神経は下唇や下顎付近の知覚を司る神経で傷つくと触った感覚がなくなります。女性なら口紅を塗るときに、男性なら髭を剃るときに違和感を感じることとなるでしょう。この神経は第二小臼歯(前から5番目の歯)のところでオトガイ孔から出て行きます。ですのでオトガイ孔の間はインプラントを埋入する骨が残りやすくなっています。


つまり、歯を一度失ってしまうと二度と元の健康的な骨量には戻りません。これらのことを考えるとAll On 4やDIEM2が非常に考えられたシステムであるとよくわかります。なんともすばらしいシステムです。
ですが、DIEM2の項目で触れたのですが、欠点もあります。そこで他の選択肢も必要だと至りました。では、COMスタイルプランについてご紹介していきます。


さっそくですが、COMスタイルプランの治療費から

COMスタイルプラン
(セレックオールセラミック12本+MytisArrowインプラント8本+ジルコニアアバットメント8本+サイナスリフトorGBRorVRO数カ所込みで)

上顎の場合179万円(税別)
下顎の場合179万円(税別)
(ちなみに当院でのセットプランの割引率最高額です)




では、上顎、下顎それぞれを図説で説明していきます

(クリックで拡大表示できます。)

上顎ケース


先ほどのレントゲン画像の上顎。上顎洞が発達している。


何も考えずにインプラントを所定の位置に配置。当然臼歯部では上顎洞にインプラントが突き抜けてしまう。


そこでサイナスリフトを左右に併用し骨造成させてインプラントを埋入。4ブロックに分けた治療が可能になる。

下顎のケース


前述のレントゲン画像の通り下歯槽神経が深刻な医療事故を予感させている。


前歯部はそこまで問題はないが、臼歯部にインプラントをそのまま奥まで埋入すれば医療事故である。


そこで、GBRもしくはVROで骨造成を行い、4ブロック(顎の大きさによっては前歯部が1ピースとなり、3ブロック)の治療が可能となる。